得意分野だけで勝負する怖さ
「特技を生かしたい」だとか
「〇〇が強みです」とか
「〇〇を勉強してきたからそれを生かした仕事をしたい」とか
「我が社の強みは〇〇だ!」
みたいな、自らの得意分野を無理矢理でも生かそうとする。
これってごく当たり前の戦略としていわれていますが、本当はどうなんでしょうか。
コインに裏表があるように、どんな戦略にも裏表があります。
得意分野で勝負するという戦略なら、
表は、強みを生かせるので楽に勝負できるという事でしょう。
裏は、「対策を練られやすい」「視野が狭くなりがち」という事です。
野球で例えるなら、足が速く、よくバントヒットを狙う選手が居たとします。
3回続けてバントヒットを狙ってきたらどうでしょうか?
ずーっとバントヒットばかり狙ってきたらどうでしょうか?
これが「対策を練られやすい」という事です。
特技ばかりを生かす戦略はワンパターンになりがちで、対策されやすいのです。
またバントヒットの練習ばかりしていて、肝心の普通のバッティングの練習がおろそかになります。
これが「視野が狭くなる」という事です。
特技を生かそうと特技を生かすあまり、他の事がおろそかになってはいけません。
そしていずれ対策をされてにっちもさっちもいかなくなります。
最近、ちきりんさんのブログにプロゲーマーの梅村さんの話が書かれていました。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20130403
「一回ぽっきりの勝負に勝つのと、勝ち続けるのは違う」ということでした。
勝ち続けるには、自分の得意分野以外で勝負する必要があると。
将棋の羽生さんは、自分の得意戦法を持っていません。
「相手の得意な土俵に飛び込んでいって勝つ」
という哲学を実践しています。
自分の得意分野を持たずに、相手の得意分野を潰す。
元阪神タイガースの監督、岡田さんは
「相手投手の一番いい球を打つのがクリーンアップの務め」
とはっきりおっしゃっています。
一流を目指すなら得意分野で勝負するって戦略はあり得ないみたいですね。
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