永遠の0を読んで
今まで我々日本人は太平洋戦争の懺悔(ざんげ)はしてきても
反省はしてきませんでした。
懺悔とは、罪を認め謝る事。
反省とは、太平洋戦争でどうやったら勝てたかを検証する事です。
私は将棋を趣味にしていますが、
将棋を強くなる上で反省は欠かせません。
一局を振り返り、良かった部分、悪かった部分を検証します。
敗戦が次に生かされ、ちょっとずつ強くなっていくのです。
もし反省をしないと同じ間違いを繰り返してしまいます。
敗戦後、太平洋戦争を反省する必要がありました。
そうすることで、真に悪いのは誰なのかが客観的に浮かび上がってきます。
単に「軍部が悪い」では反省にはならず同じ失敗を繰り返してしまいます。
永遠の0は、初の太平洋戦争の反省が書かれた本だと思います。
戦略面でも戦術面でも日本は負けました。
でも勝つチャンスはあったのです。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けは無しと言いますが
まさしく太平洋戦争も必然の負けであった事が書かれています。
太平洋戦争で日本が負ける一因となった日本社会の負の部分は
今も残っています。
その負の部分は戦争だけでなく、普通の社会にも影響を与えています。
もしちゃんと太平洋戦争敗戦時に反省をしていれば、今の日本社会はよりよい形になっていたと思います。
作者の百田尚樹さんは、反戦派でも戦争賛美派でも右翼でも左翼でもありません。
ただあの太平洋戦争の現場では何が起きていたか
特攻隊の葛藤、日本兵の葛藤を伝えたかったのです。
今の教育でもテレビでも語られない太平洋戦争の真実を書き上げたに過ぎないのです。